【西田宗千佳連載】日本でVR市場を支える「VRChat」の存在感
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Vol.143-3
本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はMetaが発売した廉価版Quest の「Quest 3S」の話題。Quest 3とそん色ない性能を有しながら価格を下げて販売する狙いを探る。
今月の注目アイテム
Meta
Meta Quest 3S
4万8400円~
前回のウェブ版で、アメリカではまず10代にVRの市場が立ち上がっている、という話をした。では日本を含む他国ではどうなっているかというと、アメリカほどに明確な現象は起きていない。ブームに近いニーズ拡大は起きていない、という言い方もできる。
とはいえ、日本はVRにとってかなり大きな市場だ。Meta自身の市場調査によると、アメリカよりも年齢層は幅広く、使っている人々の指向も幅広い、という。
なかでも急速に利用が進んでいて、VR自体の認知にも大きな影響を与えているのが「VRChat」だ。その名の通りVR向けのコミュニケーションサービスで、VRの勃興期である2014年からサービスを続けている。長く使っている人も多く、「メタバースに住む、過ごす」サービスとして紹介されることが多い。